これまで「お灸」や「ツボ押し」を使ったセルフケア、自分のカラダに手をあてる”お手あて”についてご紹介しました。今回は私が鍼灸師になったきっかけやお灸やお手あて、セルフケアにこだわる想いを書きました。良かったら読んでください。
神経痛に悩まされる
人生のマストアイテムのお灸に出会ったのは、よくあるドラマのように運命的な出会いではなく、痛みに耐える絶不調のなかにありました。20代、当時の私はちょっとした体調不良などは「寝れば良くなる」というありがたい時代でセラピストとして毎日楽しく過ごしていました。そんなある雨の日、階段を踏み外し全身強打。救急病院へ。どこが痛いのかわからない激痛とたくさんのすり傷。あの日は激痛と痛みにおさえながら病院に行った疲労感しか覚えていません。
すり傷が治り始めるころから腕に違和感を感じました。傷口の痛みとは違う、「ビリビリ痛い」、「しびれる」いわゆる神経痛。ここからは整形外科への通院が始まります。痛み止めのお薬と胃薬と強い眠気。
【神経痛のしんどいところ】
- 目には見えない”痛み”を理解してもらえない
- 当たり前にできていたことができなく不安
- いつまでこの痛みと付き合うの、終わりはいつ?
- 不安や痛みがメンタルを弱くする
病院に行く戦い
しつこく続く痛みには胸郭出口症候群という名前がつきました。痛みの緩和に星状神経ブロック注射をはじめて受けたとき、注射前のインフォームドコンセント(説明と同意)のなさに腹が立ちました。まずは徒手検査というあえて痛みを誘発する検査。痛む首や肩、腕を挙げたり、肩を上から押され、首を左右に曲げるようにいわれ、痛みが増すばかり。星状神経ブロック注射を打つと1時間ほど、顔の半分、腕が麻痺し安静にする必要があるなど注射後に言われて、「えっ、そんな大事なこと事前の説明とかないの??」と強い不信感に変わりました。病院なんてもう行きたくない。(いまは、病院受診も大切だと感じています。あの時は私に知識がなさ過ぎた…)
お灸との出会い
ブロック注射で痛みは緩和されても、こんな不信感だらけでは病院なんてもう行きたくない。それでも毎日使う、手・腕・肩。このままでいいわけない。なにかほかの治療方法を探していました。そんなとき出会ったのお灸でした。はじめてお灸を据えてもらったのは三陰交。じんわり、心地よく眠気を誘うものでした。鍼を打つときは、さすがにちょっと怖かった。担当の先生がやさしくツボに触れ、トントン柔らかく感じ、いつくるか、いつくるかと思って構えていましたが、「もう鍼、刺したよー」って先生がかるーく言うから笑っちゃいました。そこでお灸とはりに魅力を感じました。事前に説明があったように帰宅後は眠たくなり、久しぶりのすっきりとした仮眠をとりました。(ひとによっては症状が強くでることもあります)定期的に鍼灸治療に通うことに。そんなとき、担当の先生がお灸のもと【もぐさ(艾)】を見せてくれました。これは鍼灸師にしかできないお灸(直接灸)だけど、とてもパワーがあるんだよ。そんな会話をしたはず(笑)
お手あて
痛みの緩和に鍼灸治療を知り、鍼灸ってすごい!そう感じ、担当鍼灸師にお伝えしました。”鍼灸治療だけじゃない。お手あてなんだよ。”そういわれたときには驚きました。「カラダに手をあてる」ことがどうしてこんなにいいのだろう。と、ふと考えたとき私がセラピストとしてお仕事させてもらっていることもお手あてだ!その瞬間、お手あてとは、とても重要で繊細な芸術のように感じました。
正しく食べることがケア
「普段はどんな食事をしていますか?」担当の鍼灸師さんに聞かれて、初めて食べることを意識しました。食べることは動く原動力だけでなく、カラダをなかから「わたし」をつくりあげることだと学びました。その翌年には鍼灸学校に通い始める単純さには本当に笑える。
セルフケアへの想い
知識がなかったあのときの私への償いだと想っています。もっとちゃんとカラダ(自分自身)と向き合うべきだった。そしたらケガをしたタイミングでもっと違う答えが出せたかもしれない。そう思うと、次のわたしをつくりたくない。鍼灸師になり周りを見渡すと、一番近くにあるお灸。手軽でカンタンにセルフケアとして使われているがイマイチ知られていない。お灸ってこんなことに効くの?と、よく質問されます。痛みの緩和、睡眠トラブル、生理、自律神経の乱れ、ストレス解消、美容etc。広いカバー力をもつお灸。こんな良いアイテムを知らない人がいていいのかな?そう想いokyu-girlを運営をはじめました。これを読んでいるあなたの悩みをぜひお灸に教えてほしい。そう願っています。
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